June 17, 2004

『ドゥームズデイ・ブック』(コニー・ウィリス)

タイムトラベルもののSF『ドゥームズデイ・ブック』(コニー・ウィリス、ハヤカワ文庫SF)を読んだ。 「英語圏SFの三大タイトルと言われるネビュラ賞、ヒューゴー賞、ローカス賞の三冠を独占し、さらにドイツ、スペイン、イタリアのSF賞にも輝いている。」と解説されている本作だが、また一方解説者もプロットがシンプルと認めているように、ちょっと単純すぎて物足りなかった。現代と14世紀が同時進行するわけだが、二つの時代をつなぐところは弱く、二つの時代が別々だったら、ただの小説だなあと思うし、別々の小説になっても、それぞれはやはり物足りないと思うに違いない。前半は退屈で、途中で投げ出そうかと思った。最近朝日新聞の書評で『犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』が取り上げられ興味を持って本書をまずは読むことにしたので、最後まで我慢はしたが、うーん、物足りん。SFの味付け欲しいよね。物語としても、もっと最後に読み終わって引きずるものが欲しかったなあ。あの少女たちは、あのまま?ローシュ神父は実は○○だったら?という2点だけでも物語に広がりがあった方が面白いと思うんだよなあ。 ところで、この作家の『リンカーンの夢』も読んだ記憶がある。本棚を探してみなきゃ。 Posted by nino at June 17, 2004 01:44 AM
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